私の体の 奥深くに眠る鬼は 私の中のちいさなひとと おどりをはじめる
大海原にたたずむ 快楽 それを 私はなでる
私の中の鬼は 私の体のひとつひとつを ていねいに愛撫している
私の痛みはレモンの木の葉のように 堂々としている その緑の葉っぱに 雨の中 まあるい ぷるんとしたしずくが くっついている そのままきらきらしてほしいと思っていたのに しずくが割れて 水のじゅうまんした葉っぱは なにより 色っぽい